ナガオ薬局 健康情報
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Vol.59『殺菌消毒薬の選び方』

2006.6

殺菌消毒薬を使い分ける

 消毒薬は、傷口から体の中へ入るバイ菌を殺菌する目的から「殺菌消毒薬」と言います。家庭常備薬の中でも一番の必需品でしょう。ただし、切り傷、すり傷、やけどなど傷の種類や程度によって、いろいろある殺菌消毒薬を使い分け、また手当ての仕方も違ってきます。ここでは、最も多い切り傷とすり傷についてご紹介します。
殺菌消毒薬のタイプ
殺菌消毒薬の選び方 市販の消毒薬には、剤型として「液体」「軟膏」「クリーム」「パウダー」から「絆創膏」まで、いくつかのタイプがあります。最近は、スポーツ時やアウトドアでの怪我でも使いやすいように「エアゾール」や「パウダースプレータイプ」のものが登場し、簡便さで人気を得ています。また、絆創膏は傷口の保護、包帯の代用としてだけではなく、殺菌消毒成分が含まれた医薬品としての製品が登場しています。
 外傷はいつ受けるか分かりませんから、数種類のタイプの消毒薬を常備しておくことが賢明でしょう。常備薬は、効能効果を失わないよう冷暗所で保存します。
 ごく浅い傷や小さな傷で出血が止まっている場合では、傷口を洗ってから絆創膏を貼るだけで十分と思いますが、出血が止まっていない時や大きめの傷では、消毒薬をつけ滅菌ガーゼを当て、包帯を巻いておきましょう。
 市販の殺菌消毒薬は、薬剤が単独の製品や複数の製品がありますが、薬効的にみて複数薬剤を組み合わせたのもが主流です。
殺菌消毒成分の種類と働き
1.アルコール系
 エタノールやイソプロパノールなど。バイ菌の細胞内のタンパク質を変性させ殺菌します。浸透性がよく、作用は短時間で発揮。揮発性のため薬剤の残留が少ないです。
2.ヨウ素系
 ポピドンヨード、ヨードホルムなど。ヨウ素による酸化作用でバイ菌の細胞を変性させて殺菌します。ヨウ素とアルコールの併用で殺菌力が増強します。
3.界面活性系
 塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど。バイ菌の細胞表面に吸着し、細胞内のタンパク質を変性させ殺菌します。臭いや毒性は少ないです。
4.過酸化水素系
 オキシドール。強力な酸化作用でバイ菌の細胞を変性させて殺菌します。また、酸素発生時の発砲により、傷口の洗浄作用が得られます。
5.色素系
 アクリノール。色素がイオン化し、バイ菌の酵素を阻害することで殺菌します。殺菌力は弱いが、毒性はありません。
6.グロコン酸クロルヘキシジン
 バイ菌の細胞膜を傷害したり、細胞内のタンパク質を変性させて殺菌します。アルコールとの併用で殺菌効果は増強します。
消毒薬の鎮痛成分
 傷による痛みを和らげるため、ほとんどの殺菌消毒薬に、局所麻酔薬(網の安息香酸エチル、塩酸ジブカイン、リドカインなど)が使用されています。
消毒薬の止血成分
 傷口からの出血を抑えるため、血管を収縮させてから止血する「塩酸ナファゾリン」が主に使用されています。
消毒薬の抗アレルギー成分
 傷によって起こってくる皮膚の痒みを抑える抗ヒスタミン薬(マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンドヒドラミンなど)を使う場合があります。
殺菌消毒薬の選び方

化膿を防ぐ「応急処置」

 ケガをしたとき、テキパキとした正しい応急処置こそセルフメディケーションのひとつの典型です。応急処置の流れは、「傷口を流水でよく洗う」→「消毒薬をつける(場合によっては血止め薬を使う)」→「滅菌ガーゼを当て、包帯を巻く」。そして、手当てをする前には、手指を石鹸で洗うことを忘れないでください。
 ただし、応急処置の後、出血が止まらない、我慢できない痛みがある、痛みが長く続く、あるいは動物に噛まれた場合などは、速やかに病院へ。また、処置した後、2〜3時間ごとに傷口の様子をみて、消毒薬や包帯などを取り替えます。

殺菌消毒薬の選び方 ケガをして薬局へ行った時は、薬剤師に次のことを伝えましょう。
  • いつケガをしたのか(化膿や発熱がないかを確かめます)。
  • 傷の程度はどれくらいか(傷の大きさ、深さ、腫れ、痛みの程度、ひびや骨折はないか、いつもと違った症状
  • はないかを確かめます)。
  • ケガをした場所はどこか(雑菌が多い不潔な場所でないかを確かめます)。
  • 以前、薬で過敏症状(アレルギー反応による腫れ・痒み・発疹などを起したことはないかを確かめます)。

 これらのチェックは全て、より適切な薬選びや処置へのアドバイスに必要なことばかりです。「たかがケガくらい」と油断して、化膿させたり、思わぬ後遺症をつくらないよう、正しいセルフメディケーションの実行を心がけましょう。
 傷が治った時点で殺菌消毒薬の使命は終了です。いつまでも薬に頼らなくても、後は地震の自然治癒力でしっかり治せるのです。ずるずると長期間使用して、稀に皮膚炎症を起すこともあります。不明な点があれば、身近な薬局の薬剤師に相談しましょう。
*月刊ヘルシートークより抜粋

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