ナガオ薬局 健康情報
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Vol.57『腸を整える』

2006.4

おなかの調子が悪い時

おなかの調子が悪い時 下痢が続いている時は、腸の運動が不規則になっているのかもしれません。下痢にも急性と慢性があります。慢性の下痢には、過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎などもあり、早めに医療機関に受診、治療しなければならない病気もあります。一方の急性の下痢は、感染性と非感染性のものとに分けることができます。
 感染性の場合、例えば食中毒のように病原菌やその毒素により起こった時は、多くの場合、薬を使って下痢を止めることはしてはいけません。これは有害なものを一刻も早く体外へ排泄するという一種の自己防衛としての生理現象だからです。
 非感染性の下痢は、一時的な食べ過ぎや飲み過ぎ、不規則な時間の食事などで、腸が普段と異なる運動をするkとおで起きることが多いのです。この場合には、「下痢止め」というより「腸を整える整腸薬」を使うのがよいかもしれません。
 下痢以外に腹痛などの自覚症状がないことが確かめられれば、「整腸薬」を使って様子をみることも良いでしょう。
整腸と腸内細菌
おなかの調子が悪い時 腸には、100種類以上100兆個の細菌が存在しているといわれます。これらは腸内菌叢と称されており、通常の健康な状態では体にとってよい細菌(いわゆる善玉菌)と悪い細菌(悪玉菌)が仲良くバランスを保って存在しています。代表的な悪玉菌は大腸菌やブドウ球菌、ウェルシュ菌などであり、腸内でたんぱく質を腐敗させたり、有害毒素を産生したりして、便秘や下痢を起させるばかりでなく、生活習慣病や老化・ガンにも関与していると考えられています。

 一方、善玉菌の代表はビフィズス菌などの乳酸菌類や酪酸菌などがあります。善玉金は炭水化物を発酵させることで腸内を酸性にして、酸に弱い悪玉菌の増殖や有害物質を産生する働きなどを抑え、健康維持や老化防止にも幅広く関与するともいわれています。

 通常は、腸内でこの善玉菌と悪玉菌がバランスを保っているので、下痢や便秘などは起こりませんが、ひとたびこのバランスが崩れると容易に下痢などが起こります。この腸内細菌叢の変動を起す要因としては、先程の潰瘍性大腸炎や食中毒のように病気や外からの病原微生物による感染で起こることもありますが、身近なものでは食事内容(偏食や食べ過ぎ、飲み過ぎ)、薬(抗生物質など)、気象、ストレス、過労などが知られています。

整腸薬の働きと成分

 現在、市販の整腸薬のほとんどは、この善玉菌の乳酸菌類(ビフィズス菌、アシドフィルス菌、フェカリス菌など)が含まれています。では、整腸薬に含まれている成分を作用別にご紹介します。
腸を整える作用
おなかの調子が悪い時 この作用を持つ代表的なものに腸での善玉菌である乳酸菌類(ビフィズス菌、フェカリス菌、アシドフィルス菌など)や酪酸菌(宮入菌を含む)などが含まれます。乳酸菌類は、腸内で糖を分解することで、乳酸や酢酸などを賛成します。その結果、腸内のpHが低下し、悪玉菌が増殖しにくい環境をつくります。また乳酸は、悪玉菌を殺菌したり外部からの病原菌の侵入を防ぐ働きをもっています。

 乳酸菌類の中でもアシドフィルス菌は主に小腸で働き、ビフィズス菌は大腸で働くなどの相違もみられます。また、酪酸菌(宮入菌を含む)は乳酸菌とは異なり、腸内で酪酸を作ります。酪酸は腸内のエネルギー源となり、炎症予防の働きもあるといわれています。
ラクトミン(3種の乳酸菌の生菌菌体を集め、乾燥したもの)、ビオラクチス(乳酸菌類の一つであるカゼイ菌)、ビフィズス菌などが有効成分として配合されています。
腸に栄養を与える作用
 この作用を持つ代表的なものには、乾燥酵母、チアミン(B1)・リボフラビン(B2)などのビタミン類などがあります。乾燥酵母はビール酵母といって、まさにビールを作るのに欠かせない醗酵菌です。酵母は、乳酸菌などの善玉菌を増やしたり、活発にさせたりする働きがあります。また、ビタミンB1・B2・B6などのビタミン類、良い便を作る食物繊維、体にとって必須であるアミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、フェニルアラミン、トリプトファン、リジン、メチオニン、ヒスチジン)などが有効成分として含まれています。

生活習慣で腸の健康を守ろう

 どの薬でも同じですが、あくまでも薬は一時的なものです。整腸薬で症状さえ改善されればよいと考えないで下さい。腹痛など他の症状がない下痢の主な原因は、もしかしたら日常生活にあるかもしれません。つまり、不規則で偏った食生活、ストレス、睡眠不足などあれば、早々に改善することが、おなかの健康を保つ近道です。

 最近は、「プロバイオティクス」という言葉をヨーグルトなどの乳製品メーカーのCMで見かけるようになりました。プロバイオティクスとは「腸内菌叢を改善し、体にとって有益な作用をもたらす善玉菌(乳酸菌など)やそれを活性化する物質(オリゴ糖など)」といわれています。日頃から、このようなプロバイオティクスの食品(ヨーグルト、チーズなどの乳酸菌食品)を積極的に食生活に取り入れることも、おなかの症状改善だけではなく、健康維持及び増進という観点からも大切です。
*月刊ヘルシートークより抜粋

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