ナガオ薬局 健康情報
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Vol.53『目の若さを保つには その1』

2005.12

目の老化とは

 若い目は、レンズにあたる「水晶体」が透明で柔らかく、ピント調整のためにその厚みを柔軟に変化させます。ピントをシャープにする瞳孔のしぼり効果も十分です。さらに水晶体を動かす「毛様筋」も、緊張と弛緩をスムーズに繰り返します。毛様筋の動きに連動して、目の血液ともいえる「房水」の流れも順調です。房水の出口にある「線維柱帯(フィルター)」や、排水の下水管にあたる「シュレム管」もよく動きます。
 しかし、年を重ねるとともに目に様々な変化が現われます。目の老化現象として、
  1. 角膜の濁り・・・角膜(黒目)の周囲を縁取るように白い輪状の濁りが現われてくる
  2. 硝子体の変化・・・生卵の白身のような性状であったものが、やがて液状化や濁りが生じてくる
  3. 網膜の感度が低下・・・高齢者では特別な原因も無く、視力が低下することがある
  4. 水晶体の変化・・・水晶体の弾力が低下するとともに濁りが進んでくる
 水晶体の弾力の低下は、ピントの合う一番近い位置の「調節近点」が遠くなり、「老眼」として自覚されます。老眼は早い人では40歳前後でみられ、やがてすべての人に起きてきます。

目を使うことで眼内も動く

近くを見る

近くを見ると毛様筋が緊張して、水晶体が厚くなる
目の若さを保つには

遠くを見る

遠くを見ると毛様筋がゆがみ、水晶体は薄くなる
目の若さを保つには

老眼鏡の役目

水晶体の厚み不足を凸レンズが補う
目の若さを保つには
 「近くを見る」「遠くを見る」など、見る物の焦点を変えると、眼内では様々な運動が起こります。まず、近くを見るときは、網膜に焦点を合わせるために、毛様筋が緊張して、水晶体は前方に厚みを増し、瞳孔は小さくなります。
 線維柱帯やシュレム管もよく開いて房水の流れを促します。反対に遠くを見るときは、毛様筋が緩み、水晶体を薄くします。同時に線維柱帯は細かな網目となり、シュレム管も小さく閉じる形になります。

 つまり、「近くを見る・遠くを見る」ことで、毛様筋がよく動き、房水の循環を良くしています。房水は、毛様体で産生される、いわば水晶体や線維柱帯などを養うための栄養と、作り出された老廃物を運ぶ目のための血液です。房水循環が順調だと、眼圧を正常に保てます。

 すなわち、日常的な目の使い方が、実は目の老化に大きく関係しています。目の老化を進める要因は、自分の力で近くにピントを合わせられなくなるため、「目の中の部品がよく動かない」「毛様体の血流が悪い」「房水の生産量が減る」「房水の流れが滞る」などが積み重なって進んでいくのだろうと、十分に推測がつくのです。
老眼の自覚と老眼鏡
目の若さを保つには 若い人の目は、「水晶体の変形」と「瞳孔のしぼり効果」によって、遠くの物から目の前10cmの物までピントを合わせられます。一般的に40代で水晶体が固くなるため焦点が合わなくなり、近くの物が見づらくなります。新聞を読む際の30cm程度だった距離が、徐々に長くなっていくことで老眼の始まりを自覚できます。水晶体はその後も固さを増していき、数年後には「老眼の完成」となります。しかし、毛様筋は水晶体が硬くなっても、緊張と弛緩の動きをまったく失うことはなく、瞳孔によるピント調節能力も残っています。

 ところで老眼を自覚すれば、「老眼鏡を使えばよい」と考えがちですが、老眼の早い段階から老眼鏡をかけっぱなしにすることには大きな問題が潜んでいます。近くにピントを合わせる水晶体の厚み不足を補うのが老眼鏡です。つまり、水晶体の一部をメガネのレンズが肩代わりしているのです。

 老眼の初期では、水晶体のピント合わせ能力にはまだ余力があるのに、凸レンズを使うことで楽に見ることは出来ますが、水晶体はますます動きを鈍くしていきます。目の他の部品も休養状態になり、房水の流れが悪くなり、水晶体の衰えを加速するでしょう。車ばかり乗っていると、足腰が衰えるのと同じです。

 初めて老眼鏡をかけた時は、「よく見える」のでうれしいのですが、数ヵ月後にはメガネをはずすと、かける以前より余計に見づらくなっている例はしばしばあります。
遠近両用メガネは「いつでもかけていられる」ので、ますます自力でピントを合わせようとしなくなります。残っている能力を衰えさせないためにも老眼鏡は「かけっぱなし」にせずに、必要最低限使うようにしましょう。
次月に続く
*月刊ヘルシートークより抜粋

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