ナガオ薬局 健康情報
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Vol.52『記憶力をキープ』

2005.11

毎日の生活習慣が大切

記憶力をキープ 「年とともに物忘れがひどくなる・・・。」と記憶力の低下をお感じの方も多いと思います。知っているはずの名前や地名を思い出せない、最近の出来事が思い出せない等です。加齢とともに脳の働きは衰えてきますので、ある程度の記憶力低下は仕方がありません。しかし、生活に支障が出るレベルの記憶力低下を引き起こさないように、常に脳を活性化して記憶力をキープすることが課題となっています。


 脳細胞は、20歳頃から1日約10万個が消失しています。しかし、脳細胞が減少しても脳神経細胞のネットワークの発展によって、脳の働きはそう簡単に衰えるものではありません。仮に通常のペースより速く脳細胞の減少が進み、脳本来の働きが衰記憶力をキープえていくなら、記憶力や判断力の低下から、日常生活が危うくなっていきます。いわゆる認知症の現われです。

 認知症の2大原因は、脳血管障害によって脳のある部分が死んでしまうためか、アルツハイマー病(原因不明だが脳組織の萎縮と神経伝達物質アセチルコリンの著しい減少がみられる)です。この他、アルコール性痴呆や脳への刺激が少なすぎて起こる廃用性痴呆などがあります。

 記憶力の低下や認知障害は、食生活を中心とした生活習慣と大きく関わるため、生活習慣病の一つとしてみるべきです。脳の機能維持も、毎日の食事の内容と生活スタイルに委ねられているのです。

脳を働かせる栄養素

ブドウ糖を作り出すビタミンB1
記憶力をキープ 記憶力をはじめとする脳の機能を維持するために、脳が特に必要とする栄養素を過不足無く十分に摂取すること、血管の老化(動脈硬化)を防ぐこと、そして日常的に身体の運動をおこたらず、読み書き計算などで頭をよく使うことを忘れてはなりません。

 脳を働かせる栄養素の第一はブドウ糖です。脳細胞は血中のブドウ糖だけをエネルギー源としますから、米、麦などの糖質(炭水化物・でんぷん)の不足の無い毎日の摂取が必要です。糖質を分解・代謝するのがビタミンB1です。ビタミンB1は主に豚肉の赤身、大豆、玄米や胚芽米、小麦胚芽、種実類(ゴマ、ヒマワリ)に多いのですが、年とともに食が細くなり不足がちになります。

 ビタミンB1の不足は脳の働きを低下させ、脳に記憶を書き込む機能を落とし、ひいては記憶力の衰えにつながります。成人1日で米飯にして約170gに相当するブドウ糖を消費しますが、このブドウ糖からエネルギーを取り出すために働くのがビタミンB1です。
 次にビタミンB12です。ビタミンB12も脳の記憶力に重要に関わっています。それはビタミンB12が葉酸とともに細胞の中にある核酸(DNA・RNAを作っている成分)の合成に必要なビタミンであり、神経細胞が記憶などの情報処理をするときに大量の核酸が必要なためです。ビタミンB12を豊富に含む食品は、カキ・アサリ・シジミ・ハマグリ・ホタテ等の貝類、レバー類、サンマ・イワシ・カツオ・サケ等の魚類です。
レシチンをしっかり摂ろう
 脳神経細胞のネットワークの中をさまざまな神経伝達物質が行き来し、記憶力や判断力、表現力等の脳の機能そのものを支えています。
その神経伝達物質の代表的なものが「アセチルコリン」です。糖質の一種、リン脂質に含まれるコリンから作られます。コリンは大豆、卵黄、レバー、小麦胚芽、いも類等に多く含まれるレシチン(ホスファチジルコリン)に存在しています。レシチンは細胞膜の主要材料であるリン脂質であると同時に、神経細胞にとって極めて重要な栄養素です。
脳血流に働くDHA、EPA
脳血流に働くDHA、EPA 脳内の血流の状態が、脳細胞の働きに大きな影響を与えます。そこで重要な脂肪酸としてn-3系多価不飽和脂肪酸と呼ばれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、「EPA(エイコサペンタエン酸)」に注目しなければなりません。DHAやEPAは、細胞膜に多く使われるとともに、炎症物質を作りにくくし、さらに余分なコレステロールを減少させ、血液をサラサラにして血流を良好にする働きがあります。
 サバ・イワシ・サンマ・サケ・アジ・マグロなどの青背の魚を筆頭に、エゴマ・シソ油等に含まれるDHAやEPAをしっかり摂りたいものです。
カルシウム・マグネシウムも
 記憶力の維持には、カルシウムとマグネシウムを不足させないことが大切です。カルシウムやマグネシウムが慢性的に不足すると、脳細胞にアルミニウム等の不要な物質が入り込みやすくなるからです。またカルシウムは神経伝達物質のインパルスの働きを助けます。
 カルシウムの成人1日所要量は600mg、マグネシウムは300mgが適当とされています。カルシウムは、牛乳、チーズなどの乳製品や小魚に多く、マグネシウムは玄米、そば、きな粉、アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、ひじき、わかめ、豆腐、納豆等に多く含まれます。脳の健康維持のために、毎日のバランスよい食事を心がけましょう。

 脳は脂肪の多い組織なので、抗酸化物質を含む緑黄色野菜や果物を十分に摂り、脳細胞を活性酸素から守ることが重要です。血管の動脈硬化を防止するためにも、ビタミンCやビタミンEを積極的に摂取し、食品では肉類などの動物性脂肪を控えるなどを心がけましょう。
*月刊ヘルシートークより抜粋

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